田中芳樹


高校時代、その小説全てに目を通さないと気がすまないというほど執着した作家だ。
実際全て揃えていた。

そもそも

誰もが唾棄するような腐敗した民主主義国家

民衆の誰もが諸手をあげて喜ぶ専制主義国家

どっちを選ぶか?
という我々日本人にとっての大命題を私個人に与えたのはこのおっさんである。
これは高校生くらいに一度本気で考えておいた方が良い育ち方をするので、
世のお父さんお母さんは下記の作品をそれとなく子供に薦めなさい。
あからさまに薦めると思春期のガキは逆に読まなくなるので注意が必要である。

また、彼の生み出す登場人物に一喜一憂もするのである。
「銀河英雄伝説」
というのがその本なのだが、この本がスバラシイ。
まあ単純に言ってしまえば三国志だ。
そんなに単純に言ってしまうなら栗本薫さんのグインサーガも三国志になってしまう。
まあいい。
内容について詳しくは書かない。キャラクターが映える作品というのは得てして面白いものだ。

蛇足だが2巻と8巻と9巻で泣ける。
僕は4回ほど読み直したが9巻で3回泣いた。
どうも8巻派と9巻派がいるらしいが僕は断然9巻派だ。どうでもいい。

そして日本の政治がどれだけ腐っているかということを教えてくれたのもこのおっさんだ。
これは、前述の「銀英伝」もそうだが「創竜伝」という破天荒な小説が、直接的に日本の政治を子供に分かりやすく批判してくれる。
小説であるので多少デフォルメが加えられていると思っていたのだが
どうも本当にひどい様だ。
大体官僚になれる人間の育て方、育ち方が間違っている。(と思う)


とにかくこのおっさんは僕に批判精神、野党のココロを植え付けた張本人である。



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