運転論


教習所では習わない運転論を述べたい。
ていうか教習所で一つの章として使っていただきたい。
その際は無料では使わないで頂きたい。よろしく。


目的地への最高速度

ある漫画にこんな下りがあります。
海賊船が旅をしていたところ、航海士が病気に罹ってしまいます。
航海士の乗ったその船は、ひょんなことからとある国の王女を乗せることになり、
王女を大至急、王国へ送ることになりました。
距離で言えば王国へ直行することが最短距離なのですが、気丈な王女は言います。


「まずは航海士の病気を治せる島へ。それがこの船の最高速度でしょう?」


同じことが日本の道路にも当てはまります。
アクセルを踏み込む人ほど目的地に早く辿りつけますか?
あるいは前の車を抜かすための車線変更が多い人ほど?
違いますね。
「平均時速が一番早い人」
が目的地に一番早く到着します。
これは日本の道路事情にあてはめれば、すなわち。
信号を征する者が道路を征すということになります。


1.信号
もし目的地まで信号がひとつもなければ飛ばせば飛ばすだけ早く着きますが、
そんなわけにはいかないでしょう。
次の信号が赤なのにアクセル踏みこんでる人いますよね。アホですね。
ガソリンとブレーキパッドの無駄です。
では次の次の信号が赤なのに飛ばしてる人がやっぱりアホかというと、ちょっとそうとも言えなくなってきます。
ひょっとするとその車が、そのスピードで交差点に進入したときには、
ちょうど青になるであろうことを知っているのかもしれません。
その車はひょっとするとブレーキを踏むことなく、二つ目の信号を青で通り過ぎるのかもしれません。
そんな運転をしている人を見たら、それはこの俺様か、
そうでなければそいつはかなりなナイスガイ(女性の場合は何つうんだ?)だと言えるでしょう。
信号で停止しないこと、これが最高速度を高める最大の要素です。
信号で停止しないためには、

常に青信号になるようにスピードを調整する
赤信号になるタイミングを可能な限り早く察知する

の二点です。
これらを達成するにはどうするのか。
まずは一つ目の信号と、その歩行者信号の確認です。
自動車信号よりも歩行者信号が「最高速度」には重要です。
自動車信号が黄色になってからアクセルを踏むのでは間に合わない場合が多いのですね。
歩行者信号の青信号が点滅しだしたらさっさと加速しましょう。
次に二つ目の信号(と歩行者信号)の色まで確認しておきましょう。
二つ目の信号が何色なのかが「最高速度」には重要です。
更に二つ目の信号がいつ青になったのか、またはいつ赤になったのかを知ることも重要です。
トラックが前にいて信号が見えない場合でも、夜だったら反射してどこかに映ります。

勝手知ったる土地であれば、青が赤になる時間間隔もおおよそ頭にインプットされていて然るべきです。
あと、連鎖反応式の信号。
これ重要です。ここでいう連鎖とは、幾つかの信号がある規則をもって作動していることを言います。
例えばこの信号が赤になった2秒後に次の信号が赤になるように決められている、というような信号の動作です。
こういう信号の場合、頑張って一個目の信号をギリギリ青で抜けたのに、
どうあがいてもその次の信号が赤だという場合があります。
そういう信号に関しては頑張り具合もほどほどにしないとあんまり意味ないです。

これらを実践できればあなたの車の最高速度はちょっと上がります。


2.トラック
更に最高速度を上げましょう。
道路上でトラックというのは以下の三点でデメリットです。

前(信号機その他の重要情報)が見えない
加速が遅い
事故が多い

もちろんトラック運転手を責めるとか、そういう意味ではありません。
彼らの職業には敬意を払います。重要な仕事ですし、大変な作業です。
更に上記の「信号を征する」運転をしているトラックはかなり多いです。
また、トラックの運転手にはかなりの達人も多いです。

普通に自分で運転するくらいならそのトラックの後ろについていった方が早い、
というくらい上手な運転手もたくさんいます。
トラックの後にいるメリットとしては以下の二点くらいでしょう。

高速走行中は後にいれば一定した速度を保てる。
オービスに写らない。

ただ、こと「最高速度」を追求する場合においては、何とか避けていたい車種のひとつになります。
「信号を征する」運転をしていても絶対的に加減速が遅いのでタイミングが乗用車と違います。
信号一回分くらい普通車より遅いのですね。
なのでまずは抜かしましょう。
そうしないと最重要事項である信号を制することができません。
さらにそれ以外の視界の確保もできません。
トラックはその図体がでかいため、車線変更の態度もでかいです。
かなり強引に入ってきますが、視界、情報ともに減りますのでなるたけ後ろにつくことは避けましょう。
そういう時は無理にでも前の車との車間を狭めて入れさせないなどの対策が必要です。


3.ブレーキ
日本の交通事情の中で一番腹立たしいのがこれです。
ポコポコポコポコブレーキ踏みやがってこの野郎。
という感じです。
単にそいつは前の車に近づきすぎているだけで、ブレーキを踏むわけですね。
そうすると後の車はとりあえずそいつのブレーキランプを見てパブロフの犬的にブレーキを踏みますね。
これが渋滞を引き起こす原因になっていると気づいているのでしょうか。
基本的には前の車がブレーキを踏む前に自分がブレーキを踏むのはおかしいですよね。
要するに車間距離がとれてないわけです。
前の車(の運転手)がおおよそどのような運転をするのかは信号2つ3つでわかるかと思います。
やたら前の車に近づいてポコポコブレーキを踏む奴なのか。
あるいはマニュアル車なのでなかなかブレーキを使わない人なのか。
異様に車間を開けたがる上にブレーキの早いお爺さんなのか。

マニュアル車(MT)とオートマ車(AT)ではブレーキのタイミングが全く違います。
発進時の車の挙動、停止時のブレーキタイミング、
あるいは車種なんかでMTなのかATなのか見抜いてみましょう。
別に当てる必要はないんです。
その運転手がどんな運転をする奴なのかが分かればいい。
それに応じてあなたは車間距離を適切に保ちましょう。
ここでいう「適切」とは、
1.前の車よりも先にブレーキを踏まない距離
2.可能ならばブレーキを踏まずとも(停止せずとも)良い距離

ただし車間距離を開けすぎてもうざい車が割り込んだり、
トラックに割り込まれたりするのでそこらへんは臨機応変に対応してください。
臨機応変というコトバは行き当たりばったりとも言えます。
基本は1.です。


4.車線変更
頻繁に車線変更するバカ。いますよね。
ただ必ずしもバカとも言い切れないのは、車線変更によって一回分早く信号を渡ってしまえる場合があるのですね。
考えてるか考えてないかはともかくとして。
もしそれができちゃいそうな場合(一回早く信号をパスできそうな場合)は車線変更しちゃいましょう。
それは最高速度に必要です。
これを行うためには上述の視界と信号状態の確保が必ず必要です。

ドアミラーに車が映ったら自分の車とどのくらい離れているのか、夜中にこっそり駐車場で測ってみると良いでしょう。
そうすると車線変更も楽になります。
今ならOKで、今ならクラクション鳴らされるな、という見極めが大体分かります。

基本的には二車線道路の場合、例外を除き、
目的地までの時間はどちらの車線にいてもそれほど変わらないと思います。
なので、車線変更に関しては例外の場合のみ考慮しましょう。
例外とは、二車線レーンが続いていて、急にその一つが左折レーンになってしまったり、
左折が多いが歩行者がいるので左レーンが滞っている、というような場合です。
これらの場合は気づくのが遅いとイライラしますし、
極端に時間がかかったりしますので、割と気をつけておくべきですね。


何だかんだ書いてますが、複数先の信号のチェックに気をつけてみてください。
そうすると徐々にブレーキを踏む回数が減っていくでしょう。



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