自選日記2000


2000/02/24
Thr.
「理論武装」

この世の束縛するものすべて
俺には腹がたつ

いっちょまえに異を唱えたりしてみても
所詮はナイモノネダリなだけなのかも

じゃあ
生きてみるかい
ワカメのように

と問うてみる

イヤだイヤだイヤだ

ポコポコポコ

へなちょこでも
パンチを打ってみようかな

やっぱり



2000/06/16
Fri.
「怒る」

ちょっと前の話だけど、ジーコが鹿島で選手だった頃の話。
鹿島がファールとられてPKになったとき、何を思ったかジーコはサッカーボールに唾を吐きかけた。
そして退場になった。

当時でもジーコは不惑に届かんとする年齢。

みんな目を疑ったけど、その後よーく考えた。
ジーコってホントにサッカーが好きで、サッカーに一生懸命なんだなあって。

普通怒れないよ?そこまで。
負けず嫌いなだけって言えばそれまでだけど。

怒るって体力の要ること。
怒るってその人のキャラクターを際だたせること。

最近怒らないから日記の題材がない。
ひょっとして諦めてる?
何歳まで怒っていられる?

目立たないことが美徳なの?
謙遜も?
「いやあ、それほどでもないですよぉ」
これが?
文化って、必死で守る必要があるのかしら
いいと思えるものが残る。
それでいいんじゃないの。

とりとめないね。



2000/08/08
Tue.
「禁忌」

漫画家の六田登氏は、原子構造に触れること、
すなわち核分裂および核融合を発生させること、を禁忌とした漫画を書いてました。
つまり、人間は触れてはいけないものに触れてしまったので、地球に怒られる、という。
何の漫画だったかは忘れた。
確かにそんな気もしなくはないですね。

毎年今ごろになると、原爆を落とされた日だとか言って平和を祈る。
祈るだけで平和が続くなら必死で祈りますよ。そりゃ。
タテマエだけなのはもういいよ。

原爆で命を落とした人に黙祷。これは納得。


日本がどこぞの国に襲われる
よくよく考えたらありえますよね

唯々諾々と占領を許すのか?
死者を出すことなく侵略されればそれは平和か?

軍隊は必要か?

あなたにとって日本という国は守るべき国か?
突き詰めれば毎年この時期はそういうことを考えろってことじゃないすか。



2000/09/24
Sun.
「私小説的な」

遠回りになるとは分かっていつつ、昔馴染みの道を歩いた。
父の転勤などで、この土地を10年近く離れていたのだ。
小学校時代を、僕はこの土地で過ごしている。

深夜12時を回っているので既にバスもなく、実家までの道を歩くことにしたが、
懐かしさが先に立って、小学校時代の「縄張り」を見て回ることにしたんだ。

当時はもっと広い道路だったと思っていた。
当時住んでいたマンションの前の、通称「広い坂」も今見ると車がすれ違うには厳しい幅だとわかる。
あの頃から20年近く経とうとしてはいるが、面影は十分に残していた。
荷物の重さも気にならず汗だくで歩いた。


母の隣で寝ることになった。
祖父の葬式云々の世話で疲れているためか、すぐに寝息を立て始めた。

僕は昼寝をした所為かなかなか寝つかれず、いつもは思い出さないようなことを、
なぜかしら回想するはめになった。

大学1年の冬に、僕は恋をした。
運転免許の試験場には、彼女に一緒に来てもらったと記憶している。
あの景色は確か運転免許試験場のはずである。
「良かったね」
と彼女は言って、初めて手に触れたのはその時だった。

付き合い始めてからは辛い思い出しかなかった。
若かった、と思う。

母が微かに鼾を立てはじめた。

いつのまにか
なんだか母も小さくなった気がした。





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