夏休み中であるはずの彼らがサラリーマンに紛れて電車に乗っていた。 登校日だろうか。 聴いていたCDが終わったので彼らの大声の会話に耳を傾けてみた。 「うわ、また乗ってきたよ」 「どこまでこの状態なんだよ地獄だよ」 「次の茅場町でサラリーマンは降りるよ多分」 「あー豚小屋だよな」 「サラリーマンってさ、会社に行くまで豚小屋でさ、 会社が終わってやっぱり豚小屋で家に帰るだけなんだってさ」 「ヤベエよな」 覚えていてやる おまえ達のその言葉を。 見ていてやる おまえ達の今後を。 サラリーマンがただの才能のない人間の集まりではないと おまえ達が気づくその日まで。 覚えていてやる。 |