2005/04/28
Wed.
「霧の読書マイル、山本文緒まつり途中経過」

書いておかないと忘れてしまいそうなので一段落する前に残しておこうと思います。

恋愛中毒/山本文緒
この本のせいで僕のお祭りが始まったのですね。
あの、ものすごい身近にある狂気、というのですかね。
そういう観点では桐野夏生さんの「柔らかな頬」と似ている気がします。

きっと君は泣く/山本文緒
下の「あなたには〜」の裏表紙に「結婚の意味を問う問題小説」なんて書かれてるんですが、どっちかっていうとこっちの方が結婚の意味を問うてる問題小説だと思います。
内容としてはハッピーマニアに通じるものがあります。
人間って、大嫌いなものって実は一周まわって好きなのかも(羨ましいのかも)しれないっすね。
食べ物は、まあ当てはまらないとしても、生き方とか、嗜好とか、そういうの。

全然本の内容と関係ないですけど戦争だって実は好きなんでしょ。
だからなくならないんでしょ。

あなたには帰る家がある/山本文緒
じゃあこっちは結婚の意味を問うていないかというと、そうですねえ。
これは結婚の意味というよりも、如何に人間は普遍的なもの(含む結婚)と折り合いをつけるのかという、結婚よりももういっこ外の枠で、二つの家族が描かれておるのではないかと。
まあ上述の身近にある狂気は、相変わらず散りばめられているのですがね。
この狂気が他人事じゃないレベルだから、この人の書くものの内容もリアルですねえ。
僕はやっぱり、「僕のイメージしている世界(※)により近い心象、あるいは事象=リアル」と認識していますから、その意味でリアル、です。

※二元論的に「自分(内)とそれ以外(外)」に分けたときの、後者。

眠れるラプンツェル/山本文緒
これはね..完全女性視点の一作。
だからかなあ、生理的にダメです。思考パターンみたなところが。
筆者の力量のせいで僕はもうこの主人公が嫌いでしょうがないっす。
こういう女は生理的にダメっす。
作品としては悪くないんですがね..。
この主人公の住んでいるマンションの隣に、上の作品の佐藤さんが住んでるんですよね。
ものすごい偶然で、連続して読んでしまいました。

チェリーブラッサム/山本文緒
これは読まなくて良かった..失敗..
若年齢(弱年齢?)層向けに書かれた探偵小説もどき。
裏表紙に「ルーツともいえる傑作長編」などと書かれていたので入手したのですが、こういうものを信じてる自分が阿呆でしたね。まあこの本を傑作長編と書いてしまう人間もどうかと思いますけどね。
そこは価値観の問題ですからね。
帯に宣伝などは端から信用してませんが、ただ、こういう表紙に直書きされてる宣伝ですら信じられなくなりました。僕。




2005/04/24
Sun.
「霧の読書マイル、金字塔だよな」

なんだかんだ言って、結構続いてますよね。この読書感想文。
小学校の頃なんてイヤでイヤでしょうがなかったくせに、今じゃ自分から書いてますからね。
菜の花のおひたしとか、今じゃ自分から注文しますからね。
何のことやらよく分かりませんが、今回は傑作が一編ございます。その名も、

マークスの山/高村薫
今更、何言ってんだおまえ、と言わないでください。
確かにこの作品はかなり昔に出版されて、そして色々と賞をとったりしてますよ。
でも面白いか面白くないかは俺様が決めるわけですよ!お客さん!

自分がどんなノリなのか、今よく分からないで書いてますけども。
(多分サンボマスター)
賞をとるだけはある、と書けばよいのか、僕が傑作と思った作品が、賞をとっていてくれて嬉しい、と書けば良いのか。

高村作品はこれまでに「李歐」「黄金の抱いて飛べ」とあと一作くらい読んでましたが、本作はぶっとびました。
これは、凄い。
桁違いです。

凄い

というのは形容詞の形容詞ですから、凄い軽い、とか凄い面白い、とかいう使われ方が正しいとは思うのですが、この作品は、あえて「凄い」と言わせていただきたい。
ミステリー小説だと思っている方は考えを改めていただきたい。
この圧倒的な力量!
僕がこれまで読んだ高村作品とは一線を画しております。

あと、これは個人的な話ではありますが、ボクはこの舞台である広河原、奈良田に何度か訪れているのですよね。
それを思い出して作品に親近感を感じたり、懐かしく思ったりもしておりました。
当時の日記をちょっと抜粋してみましょう。

----抜粋部分----
さて、そのトイレを後にした僕達は南アルプスへと旅立った。

ちょっと前に「ガキの使いやあらへんで!」という番組の罰ゲームで、浜ちゃんがフランスにエビアンを汲みに行かされていたのをご存知だろうか。
南アルプスに向かった理由のひとつには、
「南アルプス天然水」を飲んで同じ味がするか確かめよう!
というのがあったのである。今思うと我ながらバカバカしい。

南アルプス街道を順調に北行していた我々であったが、なかなか我々を喜ばせるような野生の風景になっていかないことを危惧していた。
その矢先、吊り橋フェチの我々を喜ばせる一品が姿を現した。

「この、なんちゅうか安全を保障されてない揺れがいいよな〜」
「いやこれ、マジでやばいって!」

というわけで徐々に人跡未踏具合が増していきイキイキしてきた我々であったが、残念なことに豪雨による土砂崩れで目的地まで辿り着けないことが発覚し意気消沈してしまった。
この南アルプス街道の終点は「広河原」という地であったのだが、我々が行きつける最終地点は「奈良田」という場所までであった。
興味のある方はちょっと地図で確認してもらいたい。
なんとも悔しい思いをしつつも今更ルート変更するわけにもいかず、この奈良田をキャンプ地とすることにした。
この奈良田で我々はこの後、かなり笑える事態に遭遇することになる。
----抜粋終わり----

この1年後、僕たちは無事、リベンジをおこない、広河原に到達することができているのです。
(実は冬季閉鎖と土砂崩れで、2度リベンジして3度目でやっと広河原に到達できた)

登場人物である刑事、合田雄一郎が登場する高村作品が数冊あるようですので、引き続きそれらを読まなければ収まりません。
何が収まらないかは、よく分かりません。



2005/04/23
Sat.
「山本文緒まつり」

今日はスーツと靴を買いにふらっと出掛ける予定だったのですがね。
いやー、ダメでしたね。
金曜晩は飲み会で朝方にタクって帰ってきてそのままダウンし、起きたら12時。
頭痛い。
しばしの間ごろごろし、ドラクエ8を始めてしまう。何故!?
なんか最後のボスを倒したかと思いきや、まだオーブとやらを探して来いと言われる始末。
いや流石にちゃっちいボスだなあとは思いましたがね。
ゼシカがぱふぱふをおぼえた!

どうやって覚えたんだよそんなこと..

...気づいたら14時。
とりあえず腹減ったのと現金がゼロだったのでコンビニに行く。
最近は近場への買い物にはアローズで買ったカーゴパンツがお気に入り。
帰ってきてメシ食ったら15時。
ふと手元にあった「あなたには帰る家がある」/山本文緒 を手にとってしまう。
気がついたら20時ですよ!あなた!

「土日って何してるんですか?」

っていう質問をされたくない土日の過ごし方ナンバーワンですね。
はぁ..
とりあえず洗濯だけはやりました。
あと久しぶりに弟のホームページを見ました。
やっぱりうちの男側の家系は職人肌なんですかね。
笑えます。
ラブコン/中原アヤで涙腺が緩むあたり、兄弟です。


どうせこれから「プラナリア」読み始めちゃうんです。
はい。



2005/04/19
Tue.
「あんたに言ってんだ」

帰りの満員電車
乗り込んできたばあさんを見てふと思った
うちの母親も他人から見たらこんな感じに見られているんだろうか

だとしたら許せない、と思った
要するにそれは自分に対して腹が立ったのだった

デモに参加している中国人は
日本人は死ね、と言っている
要するにこのばあさんに死ね、と言っている
うちの母親にも死ね、と言っている
俺にも死ね、と言っている
これを読んでいるあんたにも死ね、と言っている

許すことができるだろうか?



2005/04/11
Mon.
「中国の反日デモに寄せて」

まず、メディアの報道がどこまで正しいかを疑いましょう。
おおよそどの程度が真実であるのかを推し量るスキルは、各自が身につけるべきだと思っています。
例えば「東スポ」と呼ばれている低俗スポーツ新聞に書かれていることの殆どが眉唾ものであることは、大多数の人が知っている事実です。
サッカーを例にするのが一番書きやすいのですが、スポーツ報知は日刊スポーツより真実レベルが低いです。
同じように日刊スポーツはスポーツナビよりも真実レベルが低いです。
これらは、起こってきた事実(真実)と、各報道を照らし合わせて、ボク自身が感じ、吟味し比較した僕なりの結論です。
そのようにして、メディアの報道をすべて信じる、鵜呑みにするという行為こそ、我々「報道される側」がやってはいけないことだと思っています。

という前置きをしつつ、今回の反日デモ報道をどう捕らえるかを僕なりに考えました。
率直なところを書くと、単純に腹が立ちますよね。
仮に中国の国旗燃やされたりした日には、あんたたちメチャクチャ怒るんでしょ?
おまえ達はいつまでたってもメソメソ泣いている女の子か、と。
正々堂々と国と国でやったらどうなんだ、と言いたくもなります。
日本の常任理事国に対して間接的に反対しているのだとしたら、だとしたら、ですが、あまりにも子供ですよ。

中国では幼少の頃から反日的な内容の授業が実施されていると聞きます。
当然そこで習った内容が、その人にとっての「中国の歴史」となり、「一般的な見解」になるでしょう。
それはそれでボクにはどうしようもないです。
どうしようもないですが、そういう風に、日本を毛嫌いさせて、その後、どうしたいのかがまったく分かりません。
その世論を使うと国にとって何か良いことがあるんでしょうか。


一方で過去に日本が犯してきた行為に対して、きちんとしたい、真摯に対応したいという気持ちもあります。
じゃああんたたちは俺達がどうやったら清算できると考えているのか、を知りたいし、問いたい。
それこそ、よしりんじゃないですが、謝って謝って謝りたおしたらそれで満足していただけるのでしょうか、と。
日本としては、線引きをきちんとすべきです。
小泉さんが靖国神社を参拝することを、ボクは悪いとは思わない。
むしろありがとうと言いたい気分です。

その小泉さんの参拝行為と、過去の日本の行為を正当化することがイコールだと考えるところが、おかしい。
そこから敷衍させて、また日本は暴力でもって何かしらやろうとしてるのか、と勘ぐるところまでいくのは、もっとおかしい。
脱線しますが、戦争反対と言ってれば、戦争が回避できると思ってる日本人も、同レベルでおかしいです。

中国の10億人いるうちの2万人(デモに参加したと思われる人数)というのが、多いのかあるいは少ないのか分かりません。
パーセンテージで言うと0.002%です。
そもそもこのようなデモが行われていることを知らない中国人の方もきっといるでしょう。
デモ自体に反対している人もきっといるでしょう。
そういう人がいて、そちらが大多数であるということは報道されない、ということに気づくことも重要です。

参加した人たちは、日本に住んでいる中国人がどんな思いをするか、考えたことがあるのでしょうか。
その行為自体が、世界から見たときにどう見られるのかを考えたことがあるのでしょうか。

もうちょっと大人になろうよ、というのが正直なところです。
胸倉をつかむ前に、日本の国旗を燃やす前に、まず人の話を聞くためのテーブルには、座れませんかね?